この記事では、精神的ストレスに対するクレニオセイクラルセラピー(以下CST)のエビデンスをご紹介します。
引用する医学論文は海外のもので、論文サイト『PubMed』から引用しました。
今回紹介するのは、常に危険を伴う仕事である消防士の方達を対象にして、クレニオセイクラルセラピーがどのような効果を及ぼすか検証している論文です。
結論として、クレニオセイクラルセラピーは、抗ストレスホルモンであるオキシトシンの放出を促し、
精神的ストレスを緩和
させる可能性があります。
論文の発表機関
論文の発表機関は以下の通りです。
①ポズナン体育大学理学療法学科(ポーランド)
②ポズナン生命科学大学数理統計手法学部(ポーランド)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12195089
研究手法
消防士57名を、
①クレニオセイクラルセラピーを受ける群、②頭に触れるだけの群に分け、
研究開始5週間後に、
①オキシトシン(ストレスを抑制し、自律神経を安定させるホルモン)
②コルチコトロピン放出ホルモン(ストレスに対する防御反応として、瞬発的に血圧や血糖値を上昇させるホルモン)
の血中濃度を測定しました。
研究の結果
①クレニオセイクラルセラピーを受ける群において、
オキシトシンの大幅な増加と、コルチコトロピン放出ホルモンの微増が見られました。②頭に触れるだけの群では目立った変化が見られませんでした。
オキシトシンは、別名として幸せホルモンとも呼ばれ、幸福感や安心感、リラックス効果や鎮痛効果、心拍や血圧の低下といった生理学的作用を持ちます。
このことからオキシトシンは、人間の心身の健康維持と増進に役立つことが推察されます。
コルチコトロピン放出ホルモンは、人間がストレスにさらされたときに即座に放出されるホルモンで、心身を守るために血圧や血糖値を一時的に上げる作用を持ちます。血圧や血糖値が上がることは悪いことのように思われますが、これは太古の昔から人間が命の危険から逃れるために獲得した反応であり、必要なものです。ただし、これが過剰に、かつ長期的に持続すると心身に悪影響を及ぼすことは確かです。
この研究の執筆者は、研究が消防士の通常業務の合間に行われたため、業務に伴うストレスに対する反応としてコルチコトロピンの微増が見られたのではないかと考察しています。
結論
クレニオセイクラルセラピーは、抗ストレスホルモンであるオキシトシンの放出を増加させ、
幸福感や安心感、リラックス効果や鎮痛効果、心拍や血圧の低下を促し、心身の健康を増進させる効果が期待されます。
また、瞬発的なコルチコトロピンの放出を促し、ストレス耐性を高める効果が期待されます。
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