『痛み?そんなの我慢しなさい!』
『痛いと言っちゃダメ!言葉に反応して脳が痛みを作るから!』
『歩けないじゃない。歩くんです!』
『小麦は完全にやめなさい!薬も飲んじゃダメ!死にますよ⁉』
『スクワットを毎日500回しなさい!運動しないと筋力が落ちて、足がむくみますよ?』
肩こり腰痛程度の不調で、なおかつ比較的体力のある方に対してのアドバイスであれば、特に問題ありません。むしろ、正しい面もある。
ただし、歩くことも困難な痛みがあり、痛みによってまともに食事もできず、一人では歩けないほど衰弱している方に対して、このようなアドバイスをすることは、さすがに
狂気の沙汰
と言わざるを得ません。
この記事では、このような
とんでもアドバイスと施術
によって、痛みや内臓の不調が著しく悪化し、当サロンにお見えになったお客様の話をします。
先生が怖いんです・・・
当サロンにお見えになったA様は、長年足腰を使う重労働に従事されていた女性で、今年に入って坐骨神経痛のような痛みが急激に生じ、徐々に悪化。
いままで出来ていた車の運転もできなくなり、両足のむくみも激しく出現、一人で歩くことすら困難になってしまい、近所の
自然療法系整体院
に行かれました。
その整体院の先生から、
『痛いという言葉によって、脳が痛みを作る』
『根本から治るには、小麦などを取らないこと』
『病院には絶対にかからないこと』
『痛み止め等の薬にいっさい頼らないこと』
『運動が大事。積極的に筋力トレーニングをすること』
というアドバイスを頂き、約50,000円分の回数券を購入し、毎日通院することを勧められました。
施術に関しては、
両足の痛みとむくみに対して強刺激のリンパマッサージ(内出血痕あり・・・)と、脊柱両側を中心とした背部の強刺激マッサージ(内出血痕あり・・・)
そして、両足のむくみ対策と血液循環促進のため、両足を中心にした高負荷高強度の筋力トレーニング(起立・スクワット・歩行など)を実施したそうです。
初回の施術後は、両足の痛みとむくみが増悪し、痛みも強くなったそうです。
翌日、翌々日も、同じような施術を実施され、症状は日に日に重くなっていったそうです。
整体院に通い始めて10日目、その日も整体院に通う予定だったAさんは、整体院の予約をキャンセルし、当サロンに来られました。
その表情は暗く、声に力もなく、うつ病一歩手前といった印象でした。
ご家族に支えられてやっと歩ける状態のAさんは、私にこれまでの経緯を話してくださり、虚ろな表情でこう仰いました。
『先生が怖いんです・・・』
お客様が施術者に対して恐怖を抱いている時点で、治療が上手くいかないのは想像がつきます。
そもそも、恐怖心を抱かせること自体がありえません。
そんなはずはない。治るはずだ!
整体院に通い始めて5日目、Aさんは、同居している息子さんを伴って、その整体院に行かれたそうです。
そこで整体院の先生が施術後に、Aさんの歩行状態を息子さんに見てもらったそうです。
一人では歩くことも非常に難しい状態のAさんを、無理に一人で歩かせて、
『どうですか?歩きは良くなったでしょう?』
整体院の先生はこう仰いましたが、Aさんの歩く様子を見て息子さん曰く、
『いや、あまり変わりありません・・・、むしろ、家でもほとんど一人で歩けません・・・』
整体院の先生は、Aさんの歩行以外にも、寝返り起き上がりや立ち上がりといった、基本動作についても息子さんに聞きましたが、息子さんの答えは変わりありませんでした。
『良くなっていません・・・』
整体院の先生は、
『おかしい、そんなはずはない・・・』
と、困惑した様子だったとのことでした。
翌日からは、さらに施術の強度があがり、筋力トレーニングや歩行訓練の負荷量も多くなっていきました。
60分だった施術時間は90分に延長。しかし、Aさんの容体は快方に向かうどころか、悪化の一途をたどりました。
Aさんは整体院の先生に配慮して、
『まじめで一生懸命な先生なんでしょうね。でも、これ以上は心と体が耐えられません・・・』
体が衰弱して症状が悪化してしまうほど追い込まれているにもかかわらず、気を遣うAさんが不憫でなりませんでした。
先生、実は・・・
Aさんが当サロンに3回目の施術に来られた時、Aさんが申し訳なさそうに、
『私、実は右胸に腫瘍があるんです・・・。診断は受けてないけど、しこりとか色々症状があるんです・・・』
と仰いました。
病院には行っておらず、検査も受けていないとのことでした。
このことを私に言うと、病院に入院させられるんじゃないか、見捨てられるんじゃないか、という不安があったそうです。
Aさんは色々な経緯があり、西洋医学や病院での癌治療に強い不信感を持っておられました。
Aさんの不信感に拍車をかけたのは、例の整体院の先生でした。
『病院なんかに行くな!一度入院したら出られなくなるぞ!殺されるぞ!』
一般的に、自然療法が好きな人は、病院を嫌う傾向があります。特に、自然療法を仕事にしている人ほど、その傾向が顕著です。
ですが、私はこのような考えは非常に危険だと常々思っています。
西洋医学は完ぺきではない。確かに、治療によって症状が悪化したり、亡くなったりする人もいる。それは事実です。
そんな西洋医学にも、優れている点が2つあります。
それは、
科学的な知見と機器による精密な検査
と、
今この時、命の危険がある場合の治療
です。
この2つを利用しないのは、非常にもったいない。
特に検査は、自分の病態が今どうなっているのか、客観的に把握することができます。
Aさんは『腫瘍』だと仰いましたが、それはあくまで自己判断であり、実際は腫瘍ではないかもしれません。仮に腫瘍だとしても、悪性かもしれないし、良性かもしれません。
腫瘍一つとっても、その腫瘍がどの程度大きいのか、進行が早いものなのか、他の部位に転移をしていないかなど、様々な要因が絡んできます。
このような状態で盲目的に自然療法を実施しても、確実に効果が上がるとは言い難いです。
いかに病院が嫌いでも、まずは検査を受けるべきです。そのうえで、西洋医学的治療を受けたくないのであれば、治療を拒めまいいだけです。
私は今でも、Aさんが来店されるたびに受診を勧めていますし、今後も勧め続けると思います。そしてAさんが求め続ける限り、私はヒーリングを続けていきます。
それが、ヒーラーとして、自然療法家としての責任と覚悟です。
心と体の状態に合ったアドバイスを
『小麦は毒だ!砂糖は麻薬だ!食品添加物は毒だ!薬は害悪だ!』
確かにそうかもしれない。そうかもしれないが、
食欲が無くて栄養状態が悪くなり、低蛋白血症になって両足がパンパンにはれ上がっている人に対して、あまりにも厳しい食事制限をするのは、果たして正しいことでしょうか?
『パンとかうどんなら食べれそう』・・・と言っている人に対して、
『小麦を食うからあんたは病気が治らないんだ!』
と厳しく言うことが、正解ですか?
僕はそうは思いません。
起き上がったり、歩くたびに激痛が走る人に対して、
『薬は一切飲むな!痛み止めなんか論外だ!』
と言ったり、低蛋白血症が原因のむくみなのに、
『リンパが流れていないから、むくむんだ!』
と言って、両足にゴリゴリのリンパマッサージをすることが、正しい対処法でしょうか?
栄養が取れておらず、衰弱してしまった人に対して、
『運動しないから動けなくなる。筋トレをしなさい!』
ということが正解でしょうか?もちろん間違いです。
タンパク質が不足している状態で高強度の運動を行うと、かえって筋肉がやせ細っていき、筋力は低下します。
整体を仕事にする人や、自然療法家がよく使う言葉で、
医原病
という言葉があります。
これは、医療によって生み出される病気という意味で、西洋医学や医師の治療を揶揄した言葉です。
すべての自然療法家、整体師にはあてはまりませんが、一部の
『自分の言うことが正しい。自分の手技が最も効果的。自分に間違いはない』
と思い込んでいる人々は、自分がこの
医原病
とまったく同じことをやっているということを、一度自覚してほしいと思います。
全ての医療・治療法をうまく組み合わせ、可能なことから少しずつ取り組む
西洋医学、東洋医学、自然療法、手技療法、ヒーリング・・・
世の中には様々な治療法、方法論があります。
それぞれにメリットがあり、デメリットがあります。
スマホやパソコンを使うと、これらの治療法がどのようなものなのか、簡単に調べることができます。
調べるときは、一面的な情報ではなく、批判的な意見や肯定的な意見、必ず複数の意見や知見を参考にすることです。
そして、それらの情報を取捨選択し、最終的には
自分で決める
ということが大事です。専門家であれ、学者であれ、腕のいい治療家の意見であっても、最終的に
決めるのは自分
です。
ヒーリングサロン温の手は、お客様の決断がどのようなものであろうとも、お客様が自ら下された決断を、責任をもって後押ししていきます。
告知
温の手はレイキヒーラーの育成を行っています。
『10年ちかく、医療現場でレイキを実践してきたレイキマスター』による、温の手だけでしか受けれない伝授講座(アチューンメント)となっています。
レイキ以外にも、見えないエネルギーである【氣】を感じ、操る方法をお伝えする講座も行っています。
『科学的かつスピリチュアルなレイキヒーラー』になりたい方は、ぜひ温の手のレイキ講座へお越しください。
また温の手では、レイキヒーリングを主体とした、ヒーリング施術を実施しています。
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